主催者よりながーいメッセージ。

舞台を創るときには、様々な出会いがあります。

芝居に長い間関わって来ている自分にとって、昨年の311のあと復興支援のために何ができるのか様々考えていました。

私たちができる震災支援として、この企画をやろうと決めたのは、昨年の東日本大震災の少し前に発行された、フェリス女学院中学高等学校発行の『関東大震災女学生の記録』という作文集との出会いがあったからです。

関東大震災から88年たった今、この記録が世の中に残され、まとめられたのは、“関東大震災の貴重な体験を自分たちで後世に伝えなければ!”と、当時被災したフェリス女学院の国語の先生の強い意思があったからこそと聞いています。

生徒それぞれが出会った強烈なできごとが、生徒自身の言葉で書かれている。
この作文集に出会った時、強い力を感じました。

この作文集に出会ったあと舞台創りのためにたくさんのメンバーが集まってくれました。
スタッフも含め総勢60名以上がまずこの場で出会い、また役に出会い、この舞台に挑もうとしています。

私たちが今できることは、大きな震災に出会ってしまった方たちの心に出会うことです。
そしてその心に寄り添うことと感じています。

特に関東大震災では、今現代に生きている我々には、想像も追いついていかないほど悲惨な出来事が数え切れないほど起きています。

文学座山谷典子さんの書き下ろしであるこの作品の中には、天災も人災も、思い出すのも言葉にするのも辛い出来事もたくさんあらわされています。
当時の状況や歴史を背景にして、起きてしまったことは事実。
そこに生きていた方々がいたのも事実です。

 

今回このプロジェクトに集まったメンバーが、その時代に生きた方たちと自分なりの寄り添い方をして、演出家文学座森さゆ里さんの指導のもと、舞台で生きていきます。

 

出会うことで生まれる絆(キズナ)。

どんな時にでも大切にしたいと感じます。

 

3月10日、11日、どうぞ劇場へいらしてください。

 

高森秀之